商品説明
十勝ワインを代表する「山幸」「清見」の2本をセットにしました。
セイベルを改良して誕生した「清見」は耐寒性の高い品種でしたが、池田町の厳しい冬を越すためには冬に土を盛る「培土」、春にはその土を取り除く「排土」が必要となり、その労力が問題となっていました。
そこで「清見」と池田町に生息する山ブドウを掛け合わせたところ、優れた耐寒性を示すことがわかりました。そして誕生したのが「山幸」です。「清見」と「山幸」はいわば親子のような関係なのです。
十勝池田町の風土が育んだ、「山幸」は2020年11月、国際ブドウ・ワイン機構「OIV」に品種登録されました。色も濃く他にはない野性味あふれる香味はまさに「山ブドウ」の父親似。渋みよりも酸味が強くオイリーな料理とよく合います。
「清見」が持つ果実香と熟成香のバランスが良く、豊かな酸味と軽快な味わいは、「十勝ワインらしい十勝ワイン」として、多くのファンに愛される存在となっています。
歴史
ブドウ作りの挑戦に始まりワイン製造の情熱によって生まれた十勝ワイン。
自然災害の苦境から脱却するために
1950年代後半、北海道十勝地方は「十勝沖地震」や冷害などによる凶作の被害を受けてました。池田町はこの苦境をどう脱却するか。当時の丸谷町長は、新しい産業としてブドウ栽培を構想。極寒の池田町でゼロからのぶどう栽培という壮大な挑戦が始まりました。
十勝ワインの原点となる山ブドウ「アムレンシス」の発見。
しかし、冬期間は-20℃を下回る日が続く厳しい気候条件の十勝地方ではブドウ木は上手く育たず、次第に協力者からも疑念の声が上がりました。その時、丸谷町長は「野山に山ブドウがたわわに実っているのだから、品種改良や栽培技術を向上させれば、ブドウ栽培も可能になるはず」と野山で採取した山ブドウをなんとソビエト連邦(当時)の研究所にまで持参。
その結果、日本には自生していないと思われていた、ワイン醸造に最適な品種「アムレンシス」の一種であることがわかったのです。
清見の丘に「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」を設立。
そして十勝ワインの販売を開始。
1963年にはアムレンシス100%で作られたワインが翌年の国際コンクールで評価されたのをきっかけに池田町のブドウ栽培は「ワイン用」へと方向を定め、山ブドウでのワイン造りのほか、ヨーロッパ品種の導入、池田町独自品種の開発を行う「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」が開設されました。そして池田町のワインを「十勝ワイン」のブランドで販売を開始しました。(写真はワインの保管庫として残る当初の研究所。地下にはオールドビンテージの十勝ワインが研究用として保管されている)
挑戦と情熱で世界に認められた十勝ワイン。
十勝ワインは池田町の挑戦と情熱により、目指していた池田町に「新しい産業を作り出す」ことに成功しました。
そして十勝池田町の風土が育んだブドウ品種「山幸」は2020年11月、国際ブドウ・ワイン機構「OIV」に品種登録され、今後「Yamasachi」とラベルされたワインがEUへ輸出されることが期待されています。北海道を代表するワインから日本を代表するワインとなった「十勝ワイン」。池田町の挑戦はこれからも続きます。