札幌のスーパーで卵が買えない!? 卵不足はいつまで続く?
かつては「物価の優等生」と言われていた卵ですが、近年はニワトリのエサ代の高騰などを理由に価格が高値になっています。
さらに、鳥インフルエンザの感染拡大による卵の供給不足が深刻で、卵が品切れのスーパーも続出しています。
このコラムでは、卵高騰や不足の原因、この卵不足はいつまで続くのかなどを紹介します。
札幌のスーパーから卵が消えた!?
午前中のうちに完売、スーパーの卵
普段、私は土曜日の午前中にスーパーへ行き、一週間分の食材を購入します。
先日、いつも通り買い物へ出かけました。午前10時前後の話です。
しかし、その日はすでに卵の陳列棚には何もなく“本日の販売分は終了しました”という案内が貼られていたのです。
その貼り紙には“ひと家族1パックまで”という注意書きがされていました。数日前までは“おひとり様1パックまで”だったよなぁ…と思いながら、明日また来なきゃ。とスーパーを出ました。
そして翌日、さらに早く9時半頃にスーパーへ出向き、今度は卵売り場へ直行。
しかし、この日も卵はすでに完売していました。
その後、私が普段利用するスーパーでは、土日祝日は朝の開店前から並ばないと卵が買えないほどだと聞き、卵不足を痛感したのです。
北海道だけじゃない、卵不足と高騰、要因は?
鳥インフルエンザによる卵不足
ここ最近の深刻な卵不足は、北海道千歳市の養鶏場で検出された鳥インフルエンザウイルスが原因であることは、既に報道されている通りです。
3月下旬、ニワトリの死骸を遺伝子検査した結果、「高病原性」が疑われる鳥インフルエンザウイルスが検出されたそうです。これを受けて北海道は、同じ養鶏場で飼育されていたおよそ31万羽のニワトリを処分しました。
その後、千歳市内の他の養鶏場でも「高病原性」の鳥インフルエンザウイルスが検出され、90万羽のニワトリの処分が進められ、合せて120万羽が処分されました。これは、北海道内のニワトリの飼育数の2割を超える数だそうです。
飼料価格の高騰により値上がりする卵
世界的なインフレや日本の円安、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻などが理由で、とうもろこしなど飼料の価格が高騰しています。高騰しているのは飼料だけではありません。配送費や資材費、人件費などニワトリを飼育するための価格が全体的に上昇傾向にあるのです。
農林水産省が毎月公表している「食品価格動向調査」によると、令和5年4月の鶏卵(サイズ混合・10個入り)の全国平均小売価格は、297円でした。
同調査の10年前(平成25年4月)の価格は、186円だったので、この10年で、卵の価格が100円以上値上がりしていることがわかります。
この卵不足と高騰は、札幌市や北海道に限らず、全国各地で深刻な事態となっています。
卵の供給不足や高騰はいつまで続く?
卵の流通が安定するまでに1年ほどかかる見通し
現在の深刻な卵不足が落ちついて、供給量が安定するまでには少なくとも1年ほどかかると言われています。
卵不足は、私たち一般消費者だけでなく、卵料理を扱う飲食店の方や卵をつかった加工品の製造にも大きな影響を及ぼしています。
卵を使用するメニューの提供を中止したり、加工品の製造を取りやめているお店や企業も少なくありません。
また、鳥インフルエンザが落ち着いたとしても、飼育価格の高騰は変わらないので、高値は継続される見通しだそうです。
卵不使用でつくるアイデアレシピを紹介
卵はお料理はもちろん、お菓子づくりやつなぎなど、あらゆる場面で活躍する万能食材です。
今回は、本来は卵を使ってつくるレシピですが、卵不使用でつくるアイデアレシピを紹介します。
卵アレルギーの方にもおすすめです。ぜひ、つくってみてください。
豆腐でつくるヘルシー親子丼
材料(2人分)
鶏もも肉…1枚
玉ねぎ…1/2個
木綿豆腐…1丁
★しょうゆ…大さじ2
★みりん…大さじ2
★酒…大さじ1
★砂糖…大さじ1
★顆粒和風だし…大さじ1/2
★水…150cc
ごはん…2膳
つくり方
- 鶏もも肉はひと口大に切り、玉ねぎは5mmほどにスライスします。
- 鍋に★の調味料を入れ煮立たせます。
- ②が煮立ったら、木綿豆腐を入れ、炒り卵をつくる要領で豆腐を崩します。
- ③に鶏もも肉と玉ねぎを入れ、火が通ったらご飯の上に盛り付けて完成です。
超簡単!卵なしのシンプル蒸しパン
材料(5個分)
小麦粉…100g
砂糖…50g
ベーキングパウダー…小さじ1
牛乳…100cc
サラダ油…大さじ1
つくり方
- 材料をすべてボウルに入れ、混ぜ合わせます。※混ぜすぎると膨らみにくくなるので注意してください。
- ①の生地をココットやグラシン紙に6~7分目くらいまで入れます。
- 蒸し器に入れ、中火で約15分蒸します。火が通ったら完成です。
今改めて注目が集まる「ブランド卵」
卵の高騰・不足が続く中、今改めてブランド卵に注目が集まっているそうです。
食べレア北海道で扱う「コッコロたまご」は、全国でも6%程度しか使われていないという、純国産採卵鶏「ゴトウもみじ」の卵。肉・血斑が少なく、黄身はもっちりとして濃厚、白身はしっかりとしたほんのり甘さのある卵です。
ゴトウもみじは、強健で抗病性にも優れ病気にかかりづらいのが特徴。鶏が健康であれば、産まれる卵も健康そのものです。
深刻な卵の価格高騰と卵不足のまとめ
以上、このコラムでは高騰や品切れが深刻な卵について紹介しました。
さまざまな料理に使える卵は、和洋中料理、お菓子など毎日の食卓に欠かせない万能食材です。冷蔵庫の常備食材にしている方も多いと思います。
もうしばらくの間、卵不足が続く見通しと言われています。
一日でも早く、いつも通りに卵が食べられる日常が戻ることを祈るばかりです。