【徹底解説】じゃがいもの保存方法! 長く新鮮に食べたい
じゃがいもは家庭で常備しておくと便利な食材です。しかし、保存方法を間違えると早く傷んでしまい、そのおいしさを損なってしまうことも。この記事では、じゃがいもを新鮮な状態で長く保存するための正しい方法を、詳しく解説します。
また、最後には「食べられないじゃがいもの見分け方」についても解説していきますので、最後までご覧ください。
じゃがいもを保存する前の2つのチェックポイント
まずはじゃがいもの状態を以下のポイントでチェックしてください。
芽や表皮の色の確認
じゃがいもに芽が出ていないか、緑色に変色した部分が無いかチェックしましょう。じゃがいもの芽には、ソラニンという毒性を持つ化合物が含まれています。芽が伸びると、じゃがいもの中にもソラニンが増加することが知られています。ソラニンを大量に摂取すると、体調を崩す原因となる可能性があるため、保存する前の確認は大切です。
芽と表皮が緑色に変色した部分があれば、ソラニンが多く含まれている可能性があるので、必ず取り除いてください。
傷や打撲が無いか確認
傷や打撲があるじゃがいもも長期保存に向いていません。
腐敗の原因に: 傷や打撲があると、そこから菌が侵入しやすくなり、腐敗の原因となります。また、傷んだ部分から水分が蒸発しやすくなり、じゃがいも全体がしなびやすくなることもあります。
ソラニンの生成: 既にお伝えしたように、じゃがいもがストレスを受けるとソラニンを生成することが知られています。傷や打撲はストレスとなるため、その部分のソラニン濃度が上昇する可能性があります。
乾燥: 傷ついた部分から水分が蒸発しやすくなり、じゃがいもが乾燥してしまうことがあります。乾燥すると質感が悪くなり、食感や風味に影響が出ることがあります。
傷や打撲があるじゃがいもは、できるだけ早く消費する方が良いでしょう。もし保存する場合には、他の健全なじゃがいもとは別に保存し、しっかりと冷暗所で管理すると良いです。
基本は常温!じゃがいもを保存する方法
冷暗で通気性の良い場所を選ぶ
冷暗所: じゃがいもは常温保存が基本です。光が当たるとクロロフィルを生成し、緑色に変色します。この緑色の部分には前述したようにソラニンが多く含まれるので、暗い場所での保存が望ましいです。
通気性: じゃがいもは呼吸をするので、通気性の良い場所で保存してください。また、カビや腐敗を防ぐためにも通気は重要です。
適度な湿度と温度
湿度: じゃがいもは適度な湿度を好むので、乾燥しすぎるとしなびてしまいます。一方で、湿度が高すぎると腐敗の原因になります。湿度は60~70%が理想的です。
温度: 保存する際の適切な温度は7~10℃がベストです。しかし、一般的な部屋の常温でも問題ないですが、30℃以上の高温になると発芽しやすくなります。また、4℃以下の低温で長期保存すると、じゃがいもの中のでんぷんが糖に変わってしまい、品種によっては甘みが強くなり、揚げ物をした際に焦げやすくなる、じゃがいも特有のホクホク感が少なくなる場合があります。
冬や夏にじゃがいもを保存する方法
冬の保存:
前途したように保存する際の適切な温度は7~10℃です。室内でも4℃以下にならない場所を選びましょう。例えば戸棚や下駄箱のような場所が適していますが、玄関ドアの開け締め時など、直接冷気が当たる場所は避けるようにしましょう。
夏の保存:
30℃以上の高温になると、発芽の速度が急速に上昇します。家の中で最も涼しいと感じる場所、例えば一番底の棚や土間など、夏でも比較的涼しい場所が適しています。通気性を保ちつつ、直射日光や高温を避ける場所を選びましょう。
また夏は湿度が高くなる場所が多いので、腐敗やカビのリスクが高まります。通気性を確保することで湿度をコントロールすることが必要です。
芽の発生を遅らせるコツ
いくつかのコツで、じゃがいもの芽の発生を抑えることができます。
適切な温度での保存: 前述の通り、7~10℃の気温が最も適しています。この温度帯を維持することで、芽の成長を抑えることができます。
新聞紙を利用: 新聞紙を敷いてじゃがいもを置くか、じゃがいもの間に新聞紙を挟むと、新聞紙が湿度を調整し、芽の成長を遅らせる効果があります。
定期的なチェック: 定期的にじゃがいもの状態を確認し、芽が出始めたものや傷んでいるものを取り除くことで、他のじゃがいもへの影響を最小限に抑えることができます。
冷蔵庫(野菜室)でじゃがいもを保存する方法
水で洗わず土を落とす
冷蔵庫の野菜室はじゃがいも保存にちょうどよい温度設定です。さらに新聞紙で包むことで、適切な湿度を維持しつつ通気性を確保してくれますので有効です。新聞紙以外にも麻袋や不織布など、通気性のよい素材の袋もおすすめです。ホームセンターや100円ショップなどでも手軽に手に入れることができます。
カットしたじゃがいもを冷蔵で保存する方法
カットしたじゃがいもは長期保存に向いていません。以下の方法で冷蔵保存し、1~2日を目安に料理に使い切るよう心がけましょう。
水に浸ける:
カットしたじゃがいもは空気に触れるとすぐに茶色く変色します。この変色を防ぐため、じゃがいもを冷水に完全に浸けてください。
保存容器を使用:
水に浸けたじゃがいもを、蓋付きの保存容器や密閉できるプラスチック袋に入れます。これにより、じゃがいもの鮮度を長持ちさせることができます。
保存期間を守る:
水に浸けて冷蔵庫に保存した場合、カットしたじゃがいもは1~2日以内に使用することがベストです。長期間保存すると質が低下し、料理の味に影響が出る可能性があります。
使用する前の準備:
使用する前に、じゃがいもを水から取り出してよく水切りをします。必要に応じて、さらに小さくカットしたりして料理に使用します。
じゃがいもを冷凍庫で保存する方法(カットする)
カットしたじゃがいもは冷蔵保存だけでなく冷凍保存することで、風味や食感を長期間(1ヶ月程度)維持することができます。
カットして冷凍するメリットと手順
カットして冷凍することのメリットは、料理の際に手間を省くことができること、また、食材としての使用範囲が広がることです。具体的な手順としては以下の通りです。
1.じゃがいもをよく洗い、必要に応じて皮をむいて均等な大きさにカットします。
2.沸騰したお湯で数分間下ゆでします。
3.水分をしっかり取り、冷凍用の保存袋や容器に入れます。
4.空気を抜き、しっかりと密封します。
5.ラベルを付け、日付や内容を記入して冷凍庫に保存します。
解凍時の注意点
カットして冷凍したじゃがいもを使用する際、直接調理に使用することも可能です。ただし、完全に解凍する場合は冷蔵庫内でゆっくりと解凍することをおすすめします。急速に解凍すると、食感が損なわれる可能性があります。
マッシュして冷凍するのも便利
マッシュしたじゃがいもを冷凍すると、後で簡単に使える便利な食材としてストックできるメリットがあります。特に、マッシュポテトやポテトグラタンなどの料理を頻繁に作る場合、手間を大きく省くことができます。この方法も1ヶ月程度保存可能です。
使用する際の解凍と調理方法
マッシュしたじゃがいもを解凍する際は、冷蔵庫でゆっくりと解凍してください。完全に解凍したら、そのまま料理に使用することができます。もし固まった部分や水分が分離している場合は、再加熱しながらよく混ぜ、均一な状態に戻してから使用します。
電子レンジで蒸したじゃがいもの保存方法
電子レンジで加熱したじゃがいも冷凍保存しておくと、お弁当などにとっても便利です。方法は以下のとおりです。
- じゃがいもをよく洗い、水気を拭き取ります。
- クッキングペーパーをラップの上に置き、その上にじゃがいもを乗せ、全体を包みます。
- 電子レンジで加熱し、加熱後にじゃがいもを取り出し、流水にあてながら皮をむき、再度水気を拭き取ります。
- じゃがいもを好みの大きさに切り、冷ましてからラップに包み、冷凍庫で保存します。
この方法で3〜4週間の保存が可能です。
冷蔵保存を希望する場合は、加熱したじゃがいもをラップに包んで冷蔵庫で2日間まで保存できます。
食べられないじゃがいもの見分け方
新鮮なじゃがいもはおいしく、栄養価も高いですが、保存状態や経過時間によっては食べるのが適していない状態になることがあります。食べられないじゃがいもを適切に見分ける方法を詳しく説明します。
見た目の特徴
**芽の発芽**:じゃがいもに大きな芽が生えている場合、成分が芽に移行しており、食味が落ちていることが多いです。有毒成分も多く含まれているため、食べる際は芽を十分に取り除くことが必要です。
**緑色の部分**:じゃがいもが光に当たると緑色に変色します。この緑色の部分もソラニンが多く含まれており、食べる際は避けるか、しっかりと皮を剥くようにしましょう。
**しわやくぼみ**:じゃがいもが古くなると、表面にしわやくぼみが現れます。これは乾燥や老化のサインで、食味が落ちている可能性が高いです。
触った感じと香りの変化
**硬さ**:新鮮なじゃがいもはしっかりとした硬さがありますが、古くなるとやわらかくなり、指で押すと沈み込むことがあります。
**粘り気**:じゃがいもの表面が粘っこい場合、腐り始めているサインです。このようなじゃがいもは食べるのを避けるべきです。
**香り**:新鮮なじゃがいもは独特の土の香りがしますが、腐り始めると酸っぱいまたは不快な臭いがすることがあります。異臭を感じた場合は、食べるのを控えてください。
食べ物の安全は非常に重要ですので、状態が怪しいじゃがいもは食べないようにしましょう。上記のポイントを参考にして、新鮮なじゃがいもを選ぶように心掛けてください。
まとめ
多くのご家庭で年間を通じストックされ利用されているじゃがいもは、煮る・焼く・茹でる・蒸す・揚げるなど、さまざまな調理に対応する万能な食材です。
新鮮な状態で保存するための正しい方法を身につけ、長く無駄なくお料理に活用してください!