北海道のソウルフード:ジンギスカンの歴史、種類、そして楽しみ方まで完全ガイド

北海道のソウルフード:ジンギスカンの歴史、種類、そして楽しみ方まで完全ガイド

北海道の夏とバーベキュー:ジンギスカンの全てを解説!

短い北海道の夏を満喫するには野外で楽しむバーベキューが最高です。バーベキューに欠かせないのが焼き肉。北海道で焼き肉といえば…そう、北海道民のソウルフードとも言われる「ジンギスカン」です。
北海道旅行でジンギスカンを食べたことがあるという人も多いのではないでしょうか?この記事ではジンギスカンの歴史から食べ方まで詳しく解説していきます。

羊肉の極みを味わう:北海道のジンギスカン文化とは?ラムとマトンの味わいを徹底比較

肉は羊肉。生後1年未満のラム(子羊)と、それ以上のマトン(親羊)。ラムはクセがほとんどなく柔らかい、一方マトンは多少クセ(個性)がありますが、羊肉独特の味が濃厚。ということでジンギスカンの醍醐味はマトン、通はマトンを好むことが多いです。タレに漬け込んだ味付け肉を焼くのが一般的です。
鍋は中央が盛り上がったジンギスカン鍋。盛り上がった中央部で肉を焼き、周囲に野菜を並べます。溝に沿って流れ落ちるタレが周囲に並べた野菜に味付けしてくれます。
北海道人は本当に焼き肉が大好きです。外食でも家庭でも、天気がよければ「焼き肉やろう!」となります。
最近はジンギスカン鍋で焼くというより、ホットプレートや野外で炭を起こして焼き網で焼くパターンが増えました。戸建ての家が多いのと、夏が短いせいか、天気のいい週末ともなれば、あちこちの住宅の庭やカーポートからいい匂いがしてきます。
スーパーではいろいろなメーカーの味付け肉が所狭しと並び、競争が激しいです。その分、消費者は味と肉質にはとてもうるさい(厳しい)のが、北海道の実情で、好みは分かれるのが常です。

ジンギスカンの起源:モンゴルとの意外な関係と日本人が生み出した羊肉料理の歴史

ジンギスカンはチンギス・ハーン(モンゴル帝国の初代皇帝)という響きからモンゴルが関係していると思われがちですが、実はモンゴル料理ではありません。
モンゴルでは放牧が盛んなので、羊肉を食べることは事実ですが、ジンギスカンは、中国大陸に進出していた日本人によって生み出された料理と言われています。
モンゴル民族の調理法を参考にして、日本人の味覚に合うように調理した料理がジンギスカンということです。

北海道のジンギスカン誕生秘話:世界大戦が奨励した羊の飼育がソウルフードを作り上げた

第一次世界大戦下、軍服に必要な羊毛を得るために国策として羊の飼育が奨励され、全国で5カ所、北海道では札幌市と滝川市に、飼育や研究のための「種羊場(しゅようじょう)」が作られました。
第二次大戦後、羊毛を取った後の羊の利用法として食用としても使われるようになり、羊肉が手に入りやすかった北海道では、札幌にジンギスカン専門店が誕生し羊肉食が広まっていきました。ジンギスカンが北海道のソウルフードになったのには、2つの世界大戦が影響していたことは、あまり知られていません。

多様な楽しみ方で味わうジンギスカン:生ラムから煮込みまで、北海道流焼肉の魅力

前述の通り、タレに漬けているのが基本ですが、味付けしていない「生ラム」「ラムスライス」も、最近はよく食されています。
あくまでガスコンロでジンギスカン鍋を使って焼くのが本来の食べ方ですが、ジンギスカン鍋ではなく、野外では炭火で網焼きにしたり、屋内でホットプレートを使って焼いたり、またごく普通にキッチンでフライパンを使って焼いて皿に盛りつけたり、状況に応じていろいろな形で楽しむことができます。
鮮度のいい生ラムはタレもいいですが、塩コショウだけで、素材の味を楽しむのも悪くありません。保存・管理技術が進歩し、最近はチルドの羊肉が常時、スーパーの肉コーナーに並んでいます。
また、いずれも「焼く」のが定番ですが、フライパンに蓋(ふた)をして、煮込む「煮込みジンギスカン」が好きという人も、北海道には多いです。玉ねぎやキャベツの硬い部分も柔らかく煮込まれ、しっかり味が染みついてとても美味です。

豚ジンから鹿ジンまで:新時代のジンギスカン変わり種が登場、多用途なジンギスカンタレの魅力

最近は「豚ジン」「鹿ジン」なる変わり種のジンギスカンも人気です。コロナの世界的な感染拡大により、輸入羊肉の品薄、価格高騰が原因とみられます。羊肉のジンギスカンのタレはそのまま利用して、豚肉やジビエの鹿肉で食べます。ジンギスカンのタレは醤油ベースにニンニクや生姜、フルーツなどで味付けされ、とてもバランスがよい美味しいタレです。炒め物や煮込み料理などにも利用され、羊肉だけではなく、どんな肉にもマッチします。

ジンギスカンを完璧に準備する方法:解凍失敗を避けて美味しい焼肉を楽しむコツ

ジンギスカンでよくある失敗は、いざ食べるときに、解かしておくのを忘れ、かちんかちんに凍っていて焼けない!ということがあります。
事前にしっかりと解凍しておくことを忘れずに!
食べる前日に冷凍庫から冷蔵庫に移しておけば問題はありません。急いで解凍したいときは常温に出しておくか、袋ごとぬるま湯に入れておけば早く解けます。焼きながら解かそうとしても、なかなか中心部までは火が通らずイライラするので、ご注意を。

初めての方はこちら