カマンベールチーズで認知機能をサポート!1日にどれくらい食べるのがいいの?
カマンベールチーズには、認知機能をサポートする効果があると、近年考えられているそうです。また、カマンベールチーズは骨や腸内環境にも良い影響をもたらします。普段チーズを食べる習慣のない方もぜひこの機会にカマンベールチーズの世界を知ってみてはいかがでしょうか?文末では、北海道産のおすすめのカマンベールチーズも紹介していますので、どうぞ最後までご覧ください。
そもそもカマンベールチーズって何?
「カマンベール」という名前は、フランスの「カマンベール村」に由来しています。この村はフランス北西部、ノルマンディー地方に位置しており、19世紀にこの地でカマンベールチーズが誕生したとされています。
伝統的なカマンベールチーズは、この地方の牛乳を使って作られ、白カビをまとった柔らかい外皮とクリーミーな中身が特徴です。
熟成過程で外側に白カビが生え、内側はクリーミーで滑らかな食感とやや濃厚な風味が特徴です。味はまろやかで、ナッツのようなコクややや土っぽい香りがあり、口の中で溶けると独特の旨みが広がります。
日本ではカマンベールチーズは輸入品として人気が高く、国内のチーズ工房でも生産されています。特に、北海道産カマンベールチーズはフランスの製法をもとにしつつも、日本人の嗜好に合わせたまろやかさや風味が特徴です。国内での位置づけとして、洋風料理やワインと相性がよい「高級チーズ」として認知されてきましたが、最近ではスーパーなどでも入手しやすく、1ピースずつ小分けになっていたりと、以前よりも身近なものになってきています。また、カマンベールチーズを活用した料理やアレンジレシピも多く、日本のチーズ市場で重要な役割を担っています。
カマンベールチーズの熟成度合いは、外観と香り、柔らかさで見極めることができます。熟成が進むと白カビが表面に均一に広がり、香りは濃厚で豊かな風味が増します。チーズを指で軽く押してみて、やわらかく弾力がある場合は食べ頃です。中身がとろりと溶け出すくらいが、濃厚な味わいとクリーミーな食感が楽しめる最高のタイミングとされています。
このように、カマンベールチーズは、好みの熟成度合いによって最適なタイミングで食べると美味しく楽しめます。熟成が浅い場合は、フレッシュでさっぱりした味わいを感じられ、外側が白くしっかりした食感です。熟成が進むにつれて中が柔らかく、クリーミーさが増し、香りも強くなり濃厚な風味に変わります。最もおすすめの食べ頃は、中心がやわらかくとろけるようになったときで、風味とコクが引き立ちます。
カマンベールチーズに含まれる成分とは?
では早速、今回の本題となっているカマンベールチーズの成分について読み進めて行きましょう。
カマンベールチーズには、脳に良い影響を与えるオレイン酸アミドやデヒドロエルゴステロールなどが含まれています。これらは抗炎症作用を持ち、脳内の炎症を抑えることにより認知機能のサポートが期待されます。また、ビタミンB12やカルシウム、プロバイオティクスも豊富で、神経機能や骨の健康を保つ働きがあります。
認知症予防への効果が期待される理由
カマンベールが認知症予防に効果が期待される理由は、熟成過程で生成される*「オレイン酸アミド」や*「デヒドロエルゴステロール」などの成分が脳の炎症を抑えるためです。これらは脳内の免疫細胞であるミクログリアを活性化し、*アミロイドβの沈着を減少させる可能性が示されています。加えて、カマンベールにはビタミンB12など神経の健康に役立つ栄養素も豊富です。
*オレイン酸アミド:
レイン酸アミドは、オリーブオイルなどに含まれるオレイン酸から作られる成分です。カマンベールチーズの熟成過程で生成され、抗炎症作用があり、脳や体の炎症を抑える役割が期待されています。このため、認知機能をサポートする可能性があるとされ、脳の健康を保つためにも役立つと考えられています。
*デヒドロエルゴステロール:
デヒドロエルゴステロールは、カマンベールチーズのような白カビチーズの熟成過程で生成される成分ですが、他にも一部の菌類や酵母から抽出されることがあります。また、ビタミンDの前駆物質でもあり、紫外線を浴びることで体内でビタミンDに変換される性質を持ちます。このため、デヒドロエルゴステロールは骨の健康をサポートするだけでなく、抗炎症作用を通じて脳や体の免疫機能にも貢献するとされています。
*アミロイドβ:
アミロイドβ(アミロイドベータ)は、脳内に蓄積することがあるたんぱく質の一種です。通常は脳の中で分解・排出されますが、加齢やその他の要因で分解がうまくいかないと、神経細胞の周りにたまりやすくなり、認知機能に悪影響を与えることが知られています。これが進行すると、アルツハイマー病などの認知症の原因のひとつと考えられており、研究が進められています。
BDNFとカマンベールの関連性
BDNFとは何か?
**BDNF(脳由来神経栄養因子)**は、神経細胞の成長・保護・維持を促進するたんぱく質で、脳の健康に重要な役割を果たします。特に記憶力や学習能力に関与し、脳の可塑性(適応力)を支える要素としても知られています。BDNFは運動や栄養、適切な刺激により分泌が増えるため、認知機能の維持・向上や神経変性の予防にも効果が期待されます。
白カビチーズがBDNFを増やすメカニズム
白カビチーズがBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やすメカニズムは、白カビの熟成過程で生成される成分が脳の炎症を抑制し、脳の細胞を保護することにあります。特に、白カビがもたらす抗炎症成分が脳内の神経伝達物質に影響を与え、BDNFの分泌を促進します。これにより、神経の再生や記憶力の維持・向上が期待され、認知機能をサポートする効果があると考えられています。
高齢者における健康効果
認知機能改善の可能性
カマンベールチーズのような白カビチーズに含まれる成分がBDNF(脳由来神経栄養因子)の増加を促すため、認知機能の改善が期待されます。特に、白カビの抗炎症成分が脳内の炎症を抑え、神経細胞を保護することで、記憶や学習能力などの脳機能に良い影響を与える可能性があるとされています。
他の健康面でのメリット
カマンベールチーズには、認知機能サポート以外にもいくつかの健康面でのメリットがあります。
健康面でのメリット
- 骨と歯の健康:カルシウムとリンが豊富で、骨密度の維持や歯の強化に役立ちます。
- 腸内環境の改善:プロバイオティクスが腸内の善玉菌を増やし、消化を助けます。
- 免疫力の向上:発酵による栄養成分が免疫機能をサポートします。
カマンベールチーズはこうした多様な栄養素で総合的な健康維持に貢献しています。
研究事例から見る実際の効果
最新研究結果とその解釈
明治の研究
- 発表時期: 2024年(公式サイト上で公表)
- 研究結果と解釈: 明治の研究では、カマンベールチーズの摂取が脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やす効果があり、認知機能を維持・改善する可能性があると示唆しています。特に高齢者において、BDNFが脳の健康と記憶の維持に役立つとされています。
- 参考サイト:https://www.meiji.co.jp/cheesehealthlife/cognitive-function/index.html
東京大学の研究
- 発表時期: 2015年、科学誌「PLOS ONE」に発表
- 研究結果と解釈: 東京大学の研究は、カマンベールチーズに含まれる*オレイン酸アミドなどの成分が、認知症原因物質アミロイドβの沈着を抑制する可能性を示しました。白カビによる発酵成分が脳内の炎症を抑える効果を持ち、認知機能の低下を防ぐ役割が期待されています。
- 参考サイト:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0118512
それぞれの研究は、カマンベールチーズが異なる作用を通じて脳の健康に貢献できる可能性を示唆しています。
但し、現在のところ、カマンベールチーズの認知機能への効果は、動物実験や小規模なヒト試験などによる研究結果が中心であり、大規模な臨床試験による確固たる証拠はまだ得られていません。また、個人の体質や生活習慣によっても効果は異なります。認知症は多様な要因が複雑に絡み合って発症するため、カマンベールチーズの摂取だけで完全に予防できるわけではありません。
実験データによる裏付け
・明治の研究では、被験者にカマンベールチーズを一定期間摂取させた後のBDNF値の変化を測定し、カマンベールチーズ摂取群でBDNFが有意に上昇したことが報告されました。
・東京大学の研究では、カマンベールチーズに含まれる成分が、マウスの脳においてアミロイドβの蓄積を抑制することが確認され、脳の炎症レベルが低下したと報告されています。
日常生活で取り入れる方法
効率的な摂取量と頻度
カマンベールチーズの摂取量については、一般的に1日30~40g程度(約1~2切れ)が目安とされています。この量であれば、認知機能に良いとされる成分を無理なく摂取でき、日常の食生活に取り入れやすいです。頻度は毎日でも良いですが、週数回で継続的に食べるのも効果的とされています。
おすすめレシピと食べ方
カマンベールチーズのハチミツ焼き
スライスしたカマンベールチーズにハチミツをかけ、オーブンで軽く焼きます。クラッカーやフルーツと合わせて楽しむと、甘さとチーズのコクが絶妙です。
カマンベールチーズといちじくと生ハムのサラダ
カマンベールチーズを一口大に切り、いちじくや生ハム、ベビーリーフと混ぜてサラダに。くるみやナッツのトッピングをするとよりヘルシーに。オリーブオイルとバルサミコ酢でシンプルなドレッシングをかけると、栄養バランスも良いです。
グリルカマンベールチーズのディップ
カマンベールチーズを丸ごとホイルで包んで焼き、温かいうちにクラッカーやパンでディップとして楽しむと、チーズの濃厚な風味が引き立ちます。
北海道のおすすめカマンベールチーズ
広内エゾリスの谷チーズ社「コバン【2個セット】」
エゾリスの谷チーズ社は北海道・広尾町の小さなチーズ工房で、自然環境の中で丁寧にチーズを作っています。「コバン」は、コインのような可愛い形で、濃厚でコクのあるカマンベールチーズです。クセのあるチーズが苦手な方にはぴったりの食べやすいカマンベールチーズ。
チーズ工房角谷「選べるお好みカマンベール3個」
十勝地方で家族経営の工房として運営され、地元の新鮮な牛乳を使用。複数のフレーバーからお好みの3種類を選べるセットで、味わいの違いが楽しめます。常温に置いておくと、とろ~り溶け出してしまうほど柔らかくなり、なめらかで濃厚な舌触りに。
十勝野フロマージュ「おいしいカマンベール」
北海道・清水町にある老舗チーズメーカー、十勝野フロマージュの定番。なめらかでクリーミーな食感が魅力で、日本全国で人気のカマンベールです。「おいしいカマンベール」という名の通り、一度は味わっていただきたいカマンベールチーズ。
ふらの農産公社「富良野チーズ工房Cセット」
メゾン・ドゥ・ピエールは、製造直後はやや硬めで弾力があり、ほのかな生乳の味を感じます。熟成が進むにつれやわらかくなり、滑らかな食感に変化していく過程も楽しい。ほのかなイカスミを感じるセピアは、カマンベールチーズ好きにはたまらない、コクの強い味わいです。
まとめ
北海道の特産であるカマンベールチーズは、脳の健康をサポートする可能性のある栄養素を豊富に含んでおり、バランスの取れた食事の一環として取り入れることで、健康維持に貢献できる食品の一つです。日常に取り入れることで予防効果も期待できます。今回ご紹介させていただいたどのカマンベールチーズも、北海道の自然と職人の技術、こだわりが詰まった逸品。北海道の豊かな味わいを楽しみながら、健康への一歩を。