通が伝授!ラーメンを120%楽しむ方法

通が伝授!ラーメンを120%楽しむ方法

ラーメンにそば、うどん、そーめんに冷や麦、焼きそば、冷やしラーメン、つけ麺、油そば、スパゲッティと、日本人ほど麺類が好きな人種はいないのではないでしょうか。少なくとも週に1回、多い人は毎日のように食べているのが「麺類」でしょう。麺類は嫌い、苦手という日本人はほとんどいませんね。その中でも人気があり家食より外食が人気なのは何といってもラーメンです。今回はラーメンの正しい食べ方について考察します。

日本発祥のラーメンと中国との違い

中華料理の代表格とも言えるラーメンですが、実は日本で食されているようなラーメンは中国ではほとんど見られないそうです。それでも「和製拉麺」は世界中に広まり、海外でも人気のメニューです。ちなみに餃子も日本と中国では似て非なるもので、日本ではご飯のおかず、酒のおつまみですが、中国では水餃子がほとんどで、おかずではなく、主食として食べます。餃子をおかずにご飯を食べる、というのは日本だけです。

食べる前に:ラーメンのトッピングを楽しむコツ

ラーメンを食べるマナーとして、よく議論されるのは「汁が先か麺が先か」。ちょっと待ってください。その前にやるべきことがあります。まずじっくりラーメンを見てトッピングの色彩のバランスを楽しみましょう。海苔(黒)、茹で玉子(白、黄色)、シナチク(茶色)、ホウレン草(緑)、なると(ピンク、白)、長ネギ(緑、白)、そしてチャーシュー(茶色、白)。じっくり見るとラーメンとは他にはない、実に色彩豊かで美しい食べ物だと気づきます。店主の美的センスが問われるところです。

飲む前の楽しみ:香りでわかるスープの味

そして香りをかぐことです。香りでスープの素となる食材が当てられたら、かなりの上級者です。動物性、植物性(海のもの、山のもの)だけでも嗅ぎ分けることができれば、味はだいたい想像がつきます。煮干しか鰹か、鶏ガラか豚骨か、昆布か…。ラーメンスープの3割は香りが左右します。ここでだいたいの好みがわかれます。

ラーメンはスープが命:正しいスープの飲み方

いよいよ問題のスープが先か麺が先か。ここは店主が魂を込めて作ったスープからいきましょう。レンゲを沈めてスープを汲み取りますが、ここで注意したいことは上澄みの脂がドバっと入らないようにすることです。方法はいったん沈めたレンゲを少し傾げて持ち上げ、レンゲの中に浮いている脂をどんぶりに戻しながらすくうことです。そうすることで脂の割合が全体と同じくなり、スープ本来の味がストレートに感じられます。

麺の正しいすすり方:ラーメンの風味を引き立たせる食べ方

次にいよいよ麺です。麺が固まっている場合は軽く箸でほぐします。箸に10本ほどの麺を絡めて一気にすすります。あまり麺の本数が多いと口にすすり入れたときに麺、つまり小麦の風味が強すぎて、スープとの調和が取れなくなります。外国人には「下品」と思われるようですが「郷にいては郷に従え」、日本で食べるときは堂々と大きな音を立ててすすっても構いません。よく落語家がそばを食べるときに出す音がありますよね。あの音です。

ラーメンを美味しく食べるコツと猫舌対策

勢いよくすすり上げるのが、ラーメンを美味しく食べるコツですが、回数は2息か3息で、途中で麺を切らずに食べてください。勢いよくすする理由は麺に絡んだスープも口に一緒に入るようにするためです。優しくすすっていてはスープが流れ落ちて麺との絶妙なコラボが台無しになってしまいます。とはいえ、猫舌の方には酷な方法かもしれません。猫舌の方は麺を持ち上げ、「フーフー」と2回息で冷まし、箸でつかんだまま一度下ろして再度スープにさっと付けて食べてみてください。少しは食べやすくなると思います。ただし「フーフー」は2回まで、麺を上げたら3秒以内にすすり始めるようにしてください。

カレーうどんにも応用:スープの飛散を防ぐすすり方

ただし勢いよくすするにも限度があります。スープが飛び散ったり、まして自分や一緒にいる人の服を汚しては元も子もありません。周囲に迷惑をかけない程度の勢いでお願いします。スープが飛び散らないコツは、あらかじめすする分の麺を箸でつかみ上げてスープの上に置いてすすることです。箸を巧みに上下に移動させながらすするとうまくすすれます。スープの飛び散りを防ぐこのすすり方はカレーうどんを食べるときに大いに役立ちます。

完食が基本:ラーメンの具材との絶妙なバランスを

合間に具を楽しんだりレンゲでスープを飲み、バランスよく食べ進めます。具と一緒に麺を食べるのはとても美味しいものです。麺→海苔→麺→シナチク→麺…というリズムです。「完食」と言う言葉はラーメンのためにあります。スープを飲み干して「完食」となります。ここまで食べると大半の人はかなりの満足感に浸れます。塩分が気になる方はスープを残しても構いませんが、半分以上は飲んでいただきたいものです。作ってくれた人への心遣いも必要です。麺と具だけは食べ残しのないように!

実は高度な技:「すする」という極意

単に「すする」といっても外国では音をたててたべるのはマナー違反。というより、外国にはすすって食べるものがほとんどないのです。実際、ラーメンをすすって食べることができない外国人も多いそうです。「すする」というのは簡単なようで高度な技術を要する食べ方です。空気と一緒に麺を口に入れますが、空気は気管から肺へ送り、麺は口にとどめます。なぜ咽(むせ)ないで空気と麺を仕分けできるのか、不思議です。呼気は鼻から排出し、これを短時間に繰り返して食べているのです。自然とできているようですが、自分の呼吸や舌、のどの動きを確かめながらラーメンをすするとよくわかります。

すするという食べ方は鼻呼吸と口呼吸を同時に巧みに使い分けており、のどの力を必要とします。高齢になるにつれ、難しくなる人も多く、誤嚥(ごえん)のリスクも高まると言われています。

女性も安心:ラーメンを上品に食べる方法

豪快に食べるのがラーメンの醍醐味ですが、時には上品に食べらざるを得ないシーンもあります。特に女性は勢いよくすするのが苦手です。ラーメンを上品に食べたいときは左手にレンゲを持ち、麺を3~5本ずつレンゲに盛って食べるのがいいでしょう。麺の本数が少ないので、息で冷ます必要もなく、音を立てずに麺を一口サイズにまとめて食べることができます。

まとめ:意識で変わるラーメンの味

日本人はラーメンをはじめ、様々な麺類が大好きで、その中でもラーメンは外食の人気メニューです。 食べ方に決まりはありませんが、より美味しく、有意義にラーメンを楽しむには、ある程度コツがあります。ただ漫然と何も意識せずに食べるより、食べ方を気にして食べることでまた味わいが違ってくるものです。メタボ、高血圧にならないよう注意しながら、定期的にラーメンを楽しんでください。

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