どうやって作るのかは知らないけれど、誰もが食べたことがある「塩辛」
誰もが愛する日本人のソウルフード「塩辛」
北海道が5割生産
海苔の佃煮、ほぐし鮭など、瓶詰のおかずと言えばいろいろありますが、北海道のどこの家庭の冷蔵庫にも必ずあるイカの塩辛が№1ではないでしょうか。函館で単身赴任した経験のある私にとって、イカの塩辛はほぼ毎日食べる常備食。塩辛はバリエーション豊かで食べ飽きず、酔って帰宅したときにご飯の上に塩辛、そこにお湯をかけてたべたお茶漬けは忘れられません。
イカの塩辛の生産量は北海道が1位で以下、宮城県、青森県…。イカの漁獲高が高く、塩辛の加工場が多いため、加工品としてのイカ塩辛もたくさん作られています。特に北海道の生産割合は、国内の50%もの割合です。
元々は保存食
今や、塩辛は美味しいご飯のおかずですが、元々は冷蔵庫のない時代にイカを腐らないようにする保存食でした。歴史を紐解くと江戸時代後半から作られるようになったようです。珍味として、ご飯や茶漬けに添えて出されたり、酒の肴としてとても食べられていました。常温でも腐らないよう、冷蔵庫が家庭に普及した昭和30年代ごろまでは、塩分濃度が20%(現在は4、5%)もあり、とても塩辛い食品だったのです。「塩辛」と名づけられた意味が理解できます。
また塩辛は発酵食品です。昔は木の樽で、毎日攪拌(かくはん)して発酵を促し、何日もかけて作りました。
家庭でも作れるいか塩辛
冷蔵庫が普及した今は家庭でも意外に簡単に作れます。作り方を紹介します。
- さばいたイカは適当な大きさに切ります。イカ刺しぐらいがちょうどよいでしょう。胴だけ入れる、皮を剥くなど、さばき方は好みによりますが、できれば足や耳、顔の部分もすべて入れた方が、部位による食感の違いを楽しめます。皮もあえて剥く必要はありません。切ったら適量の塩をかけて一晩寝かせ水分を抜きます。
- ゴロも同様に塩をかけて余分な水分を取ります。
- 翌日に切ったイカの切り身、ゴロともに軽く水で洗います。
- 切り身にゴロの中身をかけ、よく混ぜ、冷蔵庫に入れます。
この時点でも十分に美味しく食べられますが、まだ塩辛にはなっていません。
- 1週間~10日ほど、1日に2、3回、よく混ぜ、発酵を促します。
- 好みにより、ゆずの皮やシソの葉、一味唐辛子などを加えるとさらに風味が増します。
保存料などの添加物が入っていないので、完全な自然食といえますが、半面、市販の塩辛より傷みやすいので、早めに食べましょう。またイカはなるべく大きいもの、シーズンの後半に獲れたものを使用してください。その方がゴロは大きく、熟成しています。
またアニサキスも心配です。生のイカではなく、冷凍したイカの方が安心です。もしくは一度塩辛を冷凍してから食べても大丈夫です。
産直系通販でお取り寄せを
各地のスーパーでは、それぞれの地域に近い産地の商品が売られていますが、塩辛の本場から通販で取り寄せるのも、楽しみです。当サイト「食ベレア北海道」でも美味しい北海道産の塩辛を扱っており、こだわりのある塩辛を購入することができます。