サクラマスの驚くべき秘密:サケ科の高級魚とヤマベの成長の謎を解明

サクラマスの驚くべき秘密:サケ科の高級魚とヤマベの成長の謎を解明

「サクラマス」は身が鮮やかにピンク色をしているから?とか、桜が開花する時期に獲れるから?など、名前の由来は諸説ありますが、問題はその味。サケ科の中でも脂が乗って身も柔らかく、ほっくりとしています。塩降り焼きが最高ですが、サケを使ってできるどんな料理でも、サクラマスに置き換えればランクが上がります。この記事では驚くべきサクラマスの生態からおいしいレシピまで、幅広く紹介します。

サクラマスとヤマメの違い:生息環境による成長の差とは?

サクラマスはサケ目サケ科に属する魚。サクラマスが海に降りずに川に住み着けば、それはヤマメ(北海道ではヤマベ)ということになります。生息環境の違いから一生河川で暮らすヤマメはせいぜい30センチにしかなりませんが、一方で海に降りたサクラマスの分布は太平洋北西部が中心です。大海原で豊富な餌をたくさん食べるので、大きいものでは70センチほどまで成長します。同年齢でも長さで2倍以上、大きさでは4倍以上にもなります。

サクラマスとヤマメ:川と海の生息環境が成長に与える影響

ではなぜ川に残る組と海に降りる組に分かれるのか。それはほとんどが海に降りる組なのですが、サケと違い、1年半かけて成長しながらゆっくりと下っていきます。下る途中で幸運にも餌をたくさん食べて、成長した個体は、途中で降りるのをやめて川に住み着きます。川の方が居心地がいいと思うからでしょうか。一方で餌をあまり食べられなかった小さな個体は栄養豊富な海を目指します。海洋は天敵も多いのですが餌は川と比べ物にならないほど多く、成長して生まれた元の川に帰るころには、すっかり大きさが逆転しているのです。

サクラマスの生態:冷水を好む習性と本州・北海道での違い

またサクラマスは冷水を好む習性があるため、北海道では海に出る個体が多い一方で、本州では下流域から海にかけては水温が高いので、上流域に残る個体が多いのです。海に出たサクラマスは大きく成長し、1年後には産卵のために故郷の川に戻ってきます。サケが4年ですから、成長が速いですね。
サクラマスは4月から6月頃に川を遡上し9月から10月頃に上流域で産卵します。海洋での回遊範囲や移動経路は十分に解明されていませんが、冷たい海水域を群れでオホーツク海付近まで回遊し、夏を過ごしているとみられます。

絶品サクラマスのおいしい食べ方と調理法

サクラマスの旬は、3月~5月です。この時期のサクラマスは、脂が乗っていてとてもおいしいです。
サクラマスは、刺身、塩焼き、煮付け、フライなど様々な方法で食べることができます。
刺身
サクラマスの刺身は、桜色の美しい身と、上品な味わいが特徴です。わさび醤油や生姜醤油で食べると、サクラマスの旨味を存分に味わえます。ただしまれにアニサキスがはいっていることがあるので、十分注意が必要です。
塩焼き
サクラマスの塩焼きは、シンプルな調理方法ですが、サクラマスの旨味をダイレクトに味わえます。塩を振って一晩冷蔵庫で寝かせ、グリルで焼くだけですが、香ばしい香りが食欲をそそります。また西京味噌や糠漬けなども、風味が加わって美味しくなります。
煮付け
サクラマスの煮付けは、甘辛い味付けで、ご飯がすすむ一品です。醤油、みりん、酒、砂糖などで煮込みます。身が柔らかくジューシーで、お酒の肴としても重宝します。
フライ
サクラマスのフライは、サクッとした衣と、ジューシーな身が特徴です。塩コショウで下味をつけて、パン粉をつけて揚げます。そのまま食べることで、衣とサクラマスの身の見事な味と食感のコントラストが楽しめます。

サクラマスとサケの違い:輝く鱗と高価な釣りサクラマスの魅力

サクラマスとサケの違いは魚体の輝きを見れば一目瞭然です。サクラマスは輝いています。まぶしいほど鱗の一枚一枚が銀色に輝いています。その輝きがまたサクラマスの魅力の一つです。鱗(うろこ)に傷がついてしまえば商品価値が下がるため、鱗が傷つかない「釣りサクラマス」は高値となります。そのため、道南の函館方面では「バケ」と呼ばれる重りを使った一本釣りサクラマス漁をする漁師たちが活躍します。一本釣りの場合、暴れると体に傷がつくので、船上に揚げたらすぐに急所をたたいて絶命させます。

サクラマス不漁で、富山の鱒寿司がピンチ!

サクラマスは上品な脂と濃厚な甘みが特徴で、雑味がほとんど感じられません。元々サケに比べてそれほど多くいる魚ではありませんが、さらに減少しています。富山名産の「鱒寿司」は本来、サクラマスを使用しますが、最近はカラフトマスなど、違う種類のマスを使用しているところが増えているようです。
このように、今は希少で高級となったサクラマスを当サイト「食ベレア北海道」で扱っています。冷たい海の北海道ならではの高級魚をぜひ味わってみてください。

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