スペイン発祥の絶品:白カビサラミ「フエ」の歴史とおすすめの楽しみ方
絶品の白カビサラミ「フエ」
ウインナーソーセージなど、加工食肉を好む人は多いと思います。調味料によってさまざまな味があり、手軽でおいしく、調理が楽というメリットがあります。今回はその中から「白カビサラミ」についてお話します。
ヨーロッパ発祥の食肉加工製品:ウインナーからベーコンまでの製造方法と特徴
食肉の加工製品にはウインナーソーセージ、ハム、生ハム、サラミ、カルパス…、いろいろあります。そのほとんどはヨーロッパが発祥ですが国や地方によりいろいろな特徴があります。一般的にウインナーソーセージは挽き肉に塩やスパイスを混ぜ、家畜の腸に詰め、乾燥させて作ります。軽く乾燥させたものがカルパス、さらに乾燥させるとサラミになります。ハムは挽き肉ではなく、肉をかたまりのまま塩漬けにして、乾燥させ、加熱したり、燻製にします。加熱しないものが生ハムです。バラ肉を使って燻製させればベーコンです。
白カビサラミの発祥は?
スペイン東部に位置するカタルーニャ州は州都のバルセロナがあるスペインでも由緒ある州です。その地方に500年以上前から伝わる伝統的な食品が白カビで熟成させたサラミソーセージ「フエ・fuet」です。
フエの秘密:天然白カビの役割とカマンベールチーズとの関連
フエは天然の白カビで1カ月ほど熟成させて作ります。この白カビはカマンベールチーズで使用する無害の白カビと同系で、サラミの熟成にとても重要な役割を果たします。白カビは肉の水分を吸収し、肉のたんぱく質や脂肪の分解を促します。白カビが活性化することで、ほかの有害な菌が付着せず、さらに脂肪が酸化することで発生する嫌な臭いも抑えてくれます。
フエの極上の味わい:シンプルな調理法と赤ワインとの絶妙なペアリング
調理の手を加えず、薄く斜めに切るだけでOKです。キノコに似た芳醇な香りがあり、フエらしい甘味と良質な脂の旨味、肉の甘味を感じる味わいが特徴です。「クセ」という人もいますが、この香りはフエならではの「個性」です。一口食べれば噛むほどにジュワッと上品で上質な脂が口の中に広がります。じっくりと白カビの風味を味わった後は、常温の赤ワインを口にふくみ、サラミの脂との相性を楽しみます。これだけで白カビサラミの魅力を余すところなく、堪能できます。