【保存版】豚肉ステーキの魅力と美味しく焼くコツ
豚肉はスライスやひき肉にして料理に使われることが多い肉ですが、厚切りにして焼くと、豚特有の味わいと甘みのある脂身を堪能でき、ステーキとしてもおいしくいただけます。そのうえ、牛肉のステーキに比べると格段にリーズナブルですよね。本稿では美味しい豚肉ステーキの焼き方のコツ、北海道産豚肉の魅力について深掘りします。
似ているがちょっと違う:トンテキとステーキとソテー
ソテーとはフライパンで焼くこと、つまり「調理法を示す言葉」です。ポークソテーとは、豚肉に塩コショウなどで下味をつけた後フライパンで焼き、デミグラスソースやケチャップ、マスタードソースなどの洋風のソースをかけたものです。
ステーキは厚く切った肉を焼いた「料理を示す言葉」です。なのでポークステーキとポークソテーはほぼ同一と言っていいでしょう。
トンテキは三重県四日市市の名物として知られ、分厚い豚肉をにんにくと濃い目のソースで絡めながら焼き、たっぷりの千切りキャベツを添えるのが特徴です。地元の人々から愛されているスタミナ料理で、手軽に食べられる料理として人気があります。
切り込みがポイント:豚肉をおいしく焼くコツ
豚肉のステーキはロースか肩ロースが最適です。赤身の美味しさを選ぶならばロース、やわらかく程よく脂がのっているのが好きな人は肩ロース。焼く前に焼き縮みを防ぐために、肉には深く切れ込みを入れて筋を切ります。切り込みは2〜3cm間隔で8〜10カ所入れると良いでしょう。牛肉と違い、中までしっかりと火を通す必要があります。表面が焦げ付かないよう、弱火でじっくりと中まで焼きましょう。
トンテキは濃い目のタレが特徴で、ご飯との相性も抜群です。タレはウスターソースや醤油をベースにしており、一般的なポークソテーとは異なります。ポークソテーは塩コショウで味付けされ、洋風味に仕上げることが多いですが、トンテキは和風の味付けと決まっています。
寒いから美味しい?北海道の豚肉が人気な理由とは
北海道の豚肉が美味しいのにはいくつかの理由があります。
冷涼な気候: 北海道は日本の最北部に位置し、冷涼な気候が特徴です。この気候は暑さに弱い豚にとって非常に快適で、ストレスを軽減します。豚は暑さによって体調を崩しやすいため、北海道の気候は健康的な成長を促進します。
豊かな自然環境: 北海道は広大な農地と森林に恵まれています。これにより、豚は清潔で豊富な水源から飲み水を得ることができ、衛生的な環境で育てられます。特に、森林が育む水はきれいで、豚舎の洗浄にも使用されます。
飼育方法と衛生管理: 北海道では、養豚施設が点在しており、施設間の距離が離れているため、一つの施設で疾病が発生しても他の施設へ感染が広がりにくいです。このため、薬剤の使用が少なく、健康的な豚が育ちます。
歴史的背景: 北海道では開拓時代から豚肉の生産が行われており、地域の食文化に深く根付いています。特に、豚ジンギスカンや豚丼など、地元ならではの豚肉料理が発展してきました。これらの料理は地域住民に親しまれ、豚肉を食べる習慣を強化しています。そのため、北海道には「どろ豚」や「ホエー豚」「かみこみ豚」など、特徴のある豚肉や多様なブランド豚があります。
みなさんはすき焼きのお肉は何を使いますか?豚肉文化が根強い北海道では、豚肉を使うことが多いです。もちろん牛肉のすき焼きも食べますが、「豚肉派」が大半を占めます。またしゃぶしゃぶも同様で、「豚しゃぶ」は庶民のごちそうです。人が集まれば「今日は豚しゃぶ!」と盛り上がります。
主なブランド豚を紹介
「かみこみ豚」
かみこみ豚とは、赤身に脂が極端にのっている希少な豚肉の一種です。この豚は、100頭におよそ2〜3頭しか存在しないため、その希少性が際立っています。かみこみ豚の特徴は、まるで和牛のような美しい霜降り肉であり、その柔らかさと甘みは一度味わうと忘れられないものとなります。
特徴は赤身に脂が差し込んでいるため、脂身が多いですが、実際にはあっさりとした味わいです。見た目には脂肪が多く感じられますが、食べてみるとその脂肪は気にならず、ジューシーさを楽しむことができます。
調理法としては、そのまま焼いてシンプルに塩やコショウで味付けすることで、肉本来の美味しさを堪能できます。また、オリジナルのタレを使った豚丼としても人気があります。
かみこみ豚は、全体の約3%〜5%しか存在しないため、その生産量は非常に限られています。近年では消費者の好みにより赤身が多い肉が好まれる傾向があり、脂身が多いかみこみ豚は市場での評価が下がることもあります。しかし、その品質の高さから価格は高騰しており、贈答用や特別な日の食材として重宝されています。
「どろ豚」
北海道の十勝地方で育てられるブランド豚肉です。この豚は、イギリス原産のケンボロー種を基にしており、通常よりも長い8カ月間放牧されて育てられます。放牧によってストレスが軽減され、自然の中で自由に動き回ることで、木の実や草の根などの栄養豊富な食事を摂取します。このような環境で育ったどろ豚は、体重が170kgから180kgに達し、一般的な豚よりも大きく成長します。
どろ豚の特徴としては、オレイン酸を豊富に含むことが挙げられます。オレイン酸は不飽和脂肪酸であり、旨み成分として知られています。どろ豚はオレイン酸の含有量が45%以上と高く、これが肉質や味に良い影響を与えています。
また、どろ豚はその名の通り、泥遊びが大好きで、ビタミンやミネラルを含んだ土を食べることで特有の臭みを抑えています。このため、肉質が向上し、より美味しいとされています。
エルパソ豚牧場では、どろ豚の飼育から加工まで一貫して自社で行っており、高品質な肉を提供するために最新の設備を整えています。
「ホエー豚」
ホエー豚とは、チーズを製造する過程で生じる乳清(ホエー)を与えて育てられた豚のことです。この育成方法は、特にイタリアのパルマ地方で伝統的に行われており、ホエーを飲むことで豚は健康的に成長し、肉質が向上します。
特徴は肉が柔らかく、脂肪に甘みがあり、ジューシーです。これはホエーに含まれる栄養素が影響しており、特に不飽和脂肪酸が多く含まれています。栄養価においては乳酸菌やミネラル、ビタミンが豊富に含まれており、これらは豚の成長に必要な栄養素です。ホエーを与えられた豚は病気になりにくく、成長も早いとされています。
ホエー豚にはチーズ工房から出るホエーを毎日飲ませることで育てられます。この方法は廃棄物の再利用にもつながり、環境にも優しいとされています。
牛肉だけじゃない!北海道産の厚切り豚肉のステーキ
「ステーキ=牛肉」という常識を覆う、おいしさの新定番、それが豚肉ステーキです。ロースや肩ロースを使った丁寧な調理法で、驚くほど柔らかいジューシーな一皿に変身します。料理をグレードアップさせる北海道産豚肉の魅力と、おいしい焼き方のコツをマスターして、北海道産豚肉の厚切りを焼いて食べてみませんか?